怖い高齢者の転倒
高齢者になると体の筋力が弱まるため様々な動作の不具合がでてきてしまうものです。
人の体は40歳くらいを境目に急激に体内の筋肉が衰えていくものですが、中でも著しく弱くなるとされているのが足腰の筋肉です。
それに加えて高齢者は視力が落ちたり体のバランス感覚が損なわれてきたりするので、ますます転倒のリスクは高まってしまいます。
高齢者にとっての転倒は単なる怪我だけではとどまらず、そこから骨折などをして寝たきりになってしまうこともあるので注意が必要です。
実際に転倒をした高齢者の骨の様子をレントゲン写真などで見てみると、若い世代ならば骨にヒビが入ったり折れたりするだけのところ、高齢者は骨が全体的にぐしゃっとつぶれたような状態になってしまっているようなことがあります。
これは骨そのものの強度が弱いということに加え、骨を覆うようにして守る筋肉がなく受け身を取ることができないということによって起こるものですが、たった一度の転倒がその後の健康寿命を大きく損なうことにもつながるので、リスクを減らすためにあらゆる方策をとっていくようにしないといけません。
高齢者の転倒リスクを減らすために
足腰が相当弱まった高齢者になると外出をする機会はそう多くなく、主に自宅内で生活動作をするための動きが一日のほとんどを占めます。
自宅内なら安全かというとそうでもなく、古い日本住宅などでは廊下と部屋の間に細かい段差があったりするなど転倒の危険箇所がいくつもみられます。
高齢者の転倒リスクが特に高い場所とされているのが、照明が暗く足元が見えにくい場所や、フローリングや木製の床など滑りやすい場所、コンセントコードなどが長く出ている場所、部屋の間にある段差といったところです。
高齢者専門住宅などではそうした転倒しやすい場所をなくす設計をしているとともに、使用するマットをすべり止めがついたものにしたり、廊下やトイレに手すりをつけたりといった対策をとっています。
散歩などを日課にされている高齢者の方も多いですが、実際の転倒事故をみてみるとそのほとんどは屋内で起こっています。
さらに言えば、どこかに行こうとした移動中だけでなく立っているときに突然転倒をするといったケースも見られるので、完全に安全な場所はないと思い周囲でケアにあたる人が注意をしていかなくてはいけません。
その他の転倒を防ぐ予防策
転倒が起こらないように環境を整えることももちろん大切ですが、それに加えて高齢者本人が転倒しにくい体をつくるための対策をとっていくこともまた重要です。
足腰の弱体化を防ぐために毎日少しずつでもウェイトトレーニングをするようにしたり、太極拳や片足立ちをしてバランス感覚を取り戻すための習慣を作るといったようなことです。
こうした運動は若い時期のトレーニングと違ってごく負担の軽いものではありますが、毎日少しずつでも行っているかどうかでかなり体力に違いがでてきます。
介護の現場でも毎朝の体操に取り入れているので、在宅の高齢者の方にもぜひ日課として行うようにしてもらいたいです。